思考のダイエット/佐野研二郎
最近はマーケティングなどビジネス関連の本を読むことが多かったですが、久々にデザイン本を読みました。
デザインの本というより「デザインの考え方の本」ですね。
今回読んだのは「思考のダイエット」という本で
著者は、ユニクロなどで有名な佐藤可士和さんの部下としても働いていたことのある佐野研二郎さん。
auのLIsmo!やTBSのTブーS!などが有名ですね。
佐藤可士和さんよりも、よりやさしくあたたかみのあるデザインで、個人的にはかなり好きなアートディレクターです。
「本質を探っていく」という考え方は佐藤可士和さんにと似ていますね。
いままで手がけてきた作品、仕事などについてのデザインの考え方などもお話されていてとても勉強になります。
佐野さんの考え方として「シンプル」「クリア(明快な)」「ボールド(強い印象)」という3つのキーワードを掲げています。
それらを最重要視しながらムダをそぎ落としてシンプルにしていくこととして「思考のダイエット」と考えているそうです。
そのダイエットは以下の5つから成り立っています。
・コミュニケーションのダイエット
・時間とコストのダイエット
・思考プロセスのダイエット
・ブランド構築のダイエット
・リバウンドのダイエット
それでは気になった文章、読書メモを公開させて頂きます。
僕は「世の中のあの人」に手紙を書く、プレゼントを贈る、といったイメージでものをデザインしています。「世の中のあの人」というのがミソです。
より対象を具体的にすることで表現もクリアになっていくということです。
あえてタイムリミットを決めることで、その時間の密度をあげることが目的です。
確かにきっちり時間をきめてやらないとダラダラすすめちゃうこともありますよね。特に良いwebデザインや新しい技術をみるためにネットを徘徊しているとあっという間に時間がたっちゃう。
「気を使うこと」こそがコミュニケーションの原点です。
記憶に残るのは、いろいろな情報が入っている物よりも、たったひとつの情報しかない物なのです。つまり、人の記憶に残るのは、幕の内弁当より、カルビ弁当といえるのです。
私がお客さんのホームページをつくる際も「何が強みなのか」ということを聞き出すことを重視しております。
パートナーにお願いする際も、なんでも屋さんよりデザインやコーディングなどなにかに特化したスキルをもってる人にお願いしますね。
クライアントが本当に求めているのは、かわいいキャラクターのビジュアルだけでなく、どのような形で実際に使われるか、の提案ではないか、と考えました。
TBSのキャラクター(TブーS!)コンペの際のお話ですが、目から鱗的なデザイン思考。キャラクターを創作するにしても、どうしてもビジュアルを考えがちだけど利用用途を明確にしてあげることはお客さんもわかりやすいでしょうね。
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佐野さんのデザイン思考方法「シンプル」「クリア(明快な)」「ボールド(強い印象)」とおなじようにシンプルでわかりやすく実用的な内容が満載の本でした。
クリエイティブな職種の方だけでなくビジネスマン全般に読んでもらいたい良書です。