神奈川で有名なお土産グルメのパッケージデザイン5選
世の中にはさまざまなデザインが溢れています。
特に、商品パッケージのデザインは、その印象や価値を大いに高める役割を果たしています。
今回は「神奈川の有名なお土産グルメ」を対象に、そのデザインが持つ意味や背景にあるこだわりなどデザイン視点で対談しました。
デザインの視点から、どのように商品の魅力が引き出されているのか、またそのデザインが伝える想いについて深掘りしていきます。
目次
プロジェクトメンバー
ディレクター
中根
崎陽軒のシウマイが大好き
ライター
カワセ
和を感じさせる伝統的なデザインの鈴廣が好きです!
デザイナー・イラストレーター
小森 愛美
その土地ならではの魅力を発見!
神奈川の有名なお土産グルメといえば?
カワセ
神奈川の有名なお土産グルメといえば、何がありますか?
中根
崎陽軒のシウマイ弁当(横浜)ですね。
お土産としても自分用にもよく買ってしまうくらい好きです(笑)
小森
それだけ好きなんですね〜
横須賀海軍カレー(横須賀)も有名ですよね。横須賀といえば軍事基地が有名。国際色豊かな街並みが特徴です。海軍カレーを食べることでその空気が味わえそうですね。
カワセ
そうでですね。
あとは、鈴廣(小田原)も小田原のかまぼことして有名で、多くの観光客が買うのを見かけますね。歴史がかなり長いんですよね〜
中根
歴史が長いといえば、湘南ビール(湘南)も同じくです。地元で愛されていて、観光客も目に付きやすい面白いデザインですよ。
小森
ほんとですね!湘南に足を運んだことがない私でも、実際に行った気分になれるデザインです。
カワセ
あとは、ビール繋がりだと、城下町ビール(小田原)は最近人気になってきています。城下町らしいデザインにみなさん手を取ってしまうのかもしれません。
中根
どれも歴史がある商品ですね!
カワセ
時代を超えて愛され続ける商品は、印象付けとしてパッケージデザインが大いに関係してるのだと思います。
挙げた5つのパッケージについてデザイン視点で語りましょう!
①崎陽軒
出典:シウマイ弁当誕生70周年記念パッケージ シウマイ弁当入
カワセ
最初は「崎陽軒」です。
小森
はっきりした濃い黄色と水色、赤色の組み合わせに惹かれますね。
中根
中心にはみなとみらいの街並みが描かれています。
直線的に並べるのではなく、あえて丸くして収めることで全体的にバランスが良いデザインになってますね。
カワセ
真ん中に街並みや龍、文字が凝縮されているので統一感がありますね。
小森
文字も色も全体的にレトロな雰囲気ですね。
中根
シウマイ弁当は今年で誕生70周年。古くから愛されていますね。赤色の龍も中華街を連想させます。
カワセ
インパクトがありますし、赤い龍が街並みを包んでるようなデザインは地域とのつながりを表現しているかのようにも見えます。
中根
配置を通じて全体の工夫が見えて面白いですね。
②鈴廣
カワセ
続いては「鈴廣」です。独特な文字と人物が描かれているのが特徴ですね。
中根
小田原の伝統を感じるデザインですね。小田原にはかまぼこ店が多くありますが、差別化できているのはブランディングが成功している証拠ですね。
小森
この文字の形はフォントにはなくて、「型染め」という下絵を描き、型紙を彫り、色を染め、入れていくというような手法が取り入れられているみたいです。
カワセ
PCに入っているフォントではこの文字や人物は表現できないんですか?
小森
似たようなフォントを使用して微調整を行うことで、似たような表現はできます。ただ、このような独特なデザインはこの技法ならではです。
中根
来年には創業160年を迎えますが、伝統を守りながら、愛されるデザインを制作しているのは素晴らしいですね。「型染め」ならではの鋭い刀のような表現に惹かれます。
カワセ
また、時代が経つとともにそのデザイン性も変化しているみたいです。大小や切れ味の少しの微差で大きく印象が変わりますね。
中根
伝統と歴史が感じられる小田原らしさと時代にも適応したこだわりがあるからこそ、愛され続けているかもしれないですね。
③横須賀海軍カレー
カワセ
お次は「横須賀海軍カレー」です。カレーを連想させるような黄色と西洋を感じさせる赤色の組み合わせがいいですね。
中根
黒船とカタカナと漢字の組み合わせが国際色豊かな街であることを表現していて、デザインとして伝えたい「目的」が明確にありますね。
小森
よく文字を見てみると均一ではなく、大小様々でバラバラですね。文字もデザインの一部として使用しているのが伝わります。
カワセ
そうですね。また、お菓子グルメ対談時に挙げた「鳩サブレー」や「崎陽軒」も背景色として黄色を使用していますが、同じ黄色でも異なる印象を与えていることが分かります。
中根
同じ黄色でも明度・彩度の違いでかなり異なる印象を与えることができます。
小森
そうですね。また、共通している黄色ですが、イラストや街並み、配置などで全体の雰囲気も変わってきますね。
カワセ
船をあえて細かく描かずに、影としてシルエットで表現しています。シンプルで見やすい印象を感じます。
中根
そうですね。また、船を全面に表現するのではなく、まるで遠くに浮かんでいるかのようにデザインしているところも面白いですね。
小森
ストライプ効果ですかね。ストライプをかけることで、まるで遠くから来たかのような印象を与えていると感じます。
カワセ
色や文字、配置などによって見れば見るほど物語が広がっていく面白いデザインですね。
④湘南ビール
カワセ
続いては「湘南ビール」です。こちらにはさまざまなデザインがあり、どれも個性的で魅力的ですね。
中根
はい、茅ヶ崎のシンボルであるえぼし岩が中心に描かれています。湘南ビールの文字も湘南らしいゆるやかな印象を与えていますね。
小森
パンチのあるイラストが目を引きますね。
文字は古びた旗を背景にしており、伝統を感じさせるデザインが特徴です。
カワセ
英語の文字もバランスよくデザインされていますね。
中根
英語の文字も全体のデザインにうまく溶け込んでいますね。
他にも、金色の大仏や、背景色を黄色からオレンジにグラデーションするなど、工夫されています。
小森
黄色からオレンジへのグラデーションは夕焼けを思わせる美しいデザインですね。大仏は、金色にすることで視覚的に印象に残ります。
カワセ
湘南の海をはじめとした雰囲気を表現するために、オレンジ、黄色、赤色がふんだんに使われており、全体的に統一感がありますね。
⑤城下町ビール
出典:小田原城下町ビール【3本アソート】 | ハシモトオンライン
カワセ
最後に「城下町ビール」を見てみましょう。
中根
小田原の城下町の雰囲気がしっかりと伝わってきますね。華やかさと和の要素が上品にまとまっています。
小森
そうですね。湘南ビールとは異なり、こちらは現代的なデザインが特徴です。梅の花や商店街、小田原城、山や海などが濃い色で描かれ、全体的にまとまりがあります。
カワセ
城下町ビールには3つの種類がありますが、背景の空の色は青、オレンジ、薄紫色などが使われていますね。
中根
並べてみると、時間の流れが感じられますね。
小森
朝から夕方まで、小田原のさまざまな景色が楽しめますね。
カワセ
小田原についての知識がなくても、旅行に行った気分になれるデザインだと感じます。
終わりに
「神奈川の有名なお土産グルメについてデザイン視点で話してみた」というテーマで、5つのお土産グルメパッケージのデザインについて考えてみました。各デザインには商品のこだわりや地域性が色濃く反映されており、それぞれの商品の特性が見事に表現されています。地域らしさと商品の特徴を伝えるためのデザインには、多くの工夫が必要です。
しかし、デザインに対する思いを具体的な形として落とし込むことは難しいと感じる方も多いでしょう。「自分の会社に合ったパッケージデザインは何だろう?」「思いを伝えるデザインにするためにはどのような工夫が必要か?」といった悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。色や形、イラスト、配置、ストーリー性のあるデザインの描き方など、さまざまな課題を抱えることもあるでしょう。
私たちカズミアは、お客様の課題を発掘し、課題解決につながるデザインを提案いたします。デザインのことでお困りの際は、ぜひご相談ください。